Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
B
「もう、みんなして何よー」
置いて行かれまいと小走りで涼介たちに近づくと、
風呂談義はまだ続いていたようだ。
「わらわは水風呂を所望するマロ」
「あー水風呂ね、それはそれでいいかも。
っていうか、雪姫様って溶けちゃったりするのか?」
雪姫へ向けていた目線を急にこちらへ向けられ、
みのりは心臓を大きく弾ませた。
見つめられるだけで体温が上昇しそうになる。
みのりは涼介の視線から逃れようと考える振りをして
明後日方向を向いた。
「ぶ、文献には暑いのが苦手だったくらいしか
書かれてなかったけど」
「そうなのか。さすがみのりさん、よく知ってるね」
褒め言葉に逸らしていた目線を涼介へと戻す。
裏のなさそうな柔らかな笑みに、
落ち着いたはずの鼓動が再び加速した。
「べ、別にそんなの当たり前よ」
「お嬢さま、すごいの当たり前」
「そうだね。確かにそうだ」
紅の言葉に安易に同意する涼介の言葉が
さらに頬を熱くさせる。
自分は今、顔が真っ赤になっているに違いない。
恥ずかしいやら照れくさいやら。
どういう顔をしていいのかわからず、みのりは顔を俯かせた。
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