Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




B




「もう、みんなして何よー」


 置いて行かれまいと小走りで涼介たちに近づくと、

風呂談義はまだ続いていたようだ。


「わらわは水風呂を所望するマロ」

「あー水風呂ね、それはそれでいいかも。

っていうか、雪姫様って溶けちゃったりするのか?」


 雪姫へ向けていた目線を急にこちらへ向けられ、

みのりは心臓を大きく弾ませた。

見つめられるだけで体温が上昇しそうになる。

みのりは涼介の視線から逃れようと考える振りをして

明後日方向を向いた。


「ぶ、文献には暑いのが苦手だったくらいしか

書かれてなかったけど」

「そうなのか。さすがみのりさん、よく知ってるね」


 褒め言葉に逸らしていた目線を涼介へと戻す。

裏のなさそうな柔らかな笑みに、

落ち着いたはずの鼓動が再び加速した。


「べ、別にそんなの当たり前よ」

「お嬢さま、すごいの当たり前」

「そうだね。確かにそうだ」


 紅の言葉に安易に同意する涼介の言葉が

さらに頬を熱くさせる。

自分は今、顔が真っ赤になっているに違いない。

恥ずかしいやら照れくさいやら。

どういう顔をしていいのかわからず、みのりは顔を俯かせた。










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