Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




E




「そっか。けどまあ、甲斐性がないのは本当かもなあ」

 ぼやいてみのりへ微笑むと、紅が心配そうな声をあげる。 

「お嬢さま、顔赤い。熱ある?」

 おでこに手をあててくる紅へみのりが答えた。

「だっ、大丈夫よ、紅。心配してくれてありがとう」

 あてられた手をやんわりと退けるみのりを見て、雪姫が口を開く。

「女子(おなご)は素直が一番マロ」

 雪姫の愉快げな声に反応して、みのりの頬が朱に染まった。

「ん? 何の話?」

 涼介は話の意図が読めず雪姫へ尋ねる。

「殿方は優しさがあれば十分マロ」

 一人頷く雪姫を前に眉を顰めていると、

突如前を行く女将が笑いだした。

「おほほほほほ」

 楽しげなその声に涼介は眉間の皺を深くする。

  「ちょっと話が見えないんだけど?」

 みのりに向かい文句を言うと、みのりが瞳をまばたいてきた。










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