Gold Plum
第二章
交錯
〜みのり&涼介の場合〜
六
E
「そっか。けどまあ、甲斐性がないのは本当かもなあ」
ぼやいてみのりへ微笑むと、紅が心配そうな声をあげる。
「お嬢さま、顔赤い。熱ある?」
おでこに手をあててくる紅へみのりが答えた。
「だっ、大丈夫よ、紅。心配してくれてありがとう」
あてられた手をやんわりと退けるみのりを見て、雪姫が口を開く。
「女子(おなご)は素直が一番マロ」
雪姫の愉快げな声に反応して、みのりの頬が朱に染まった。
「ん? 何の話?」
涼介は話の意図が読めず雪姫へ尋ねる。
「殿方は優しさがあれば十分マロ」
一人頷く雪姫を前に眉を顰めていると、
突如前を行く女将が笑いだした。
「おほほほほほ」
楽しげなその声に涼介は眉間の皺を深くする。
「ちょっと話が見えないんだけど?」
みのりに向かい文句を言うと、みのりが瞳をまばたいてきた。
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