Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




IC




「でもみのりさんは俺の妹にはなれないでしょう?」

 首をかしげて尋ねると、碧が瞳を細めた。

「大切な存在というのは何も妹とは限りませんよ」

「大切な存在……ですか?」

 碧の言に倣い思考を巡らせる。

ふと、みのりのはじけるような笑みを思いだし佇んだ。

「……いや、でも彼女は俺を嫌ってますし……」

 そうだ。忘れてはならない。

彼女は自分を顔も見るのが嫌なほど嫌っているのだから。

涼介が溜め息をついていると、今度は碧が驚いた顔を向けてきた。

「嫌っている?

涼介君にはお嬢様が君のことを嫌っていると映っているのですか?」

「え、いや、だって毛虫のごとく嫌われてるし、

さっきも飛び退かれたし……」

 碧の問いかけに涼介は先刻のみのりの態度を思い浮かべる。

あんな態度を取られてそれでも好かれていると思える自信は、

今の自分にはない。

頭に手をやり吐息していると、碧が謎めいた笑みを見せた。










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