Gold Plum





第二章


交錯


〜みのり&涼介の場合〜




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「ふふふ。嫌い嫌いも好きのうちっていう言葉もありますけどね」

 碧の発言に涼介はしばし動きをとめる。

(本当だろうか?)

 その理論だと自分はかなり好かれているということになるが。

涼介は自分がみのりに好かれている可能性を考え、

だがやはりすぐかぶりを振った。

それはない、との意を込めて碧を見ると、

碧が明後日の方角を向いたまま声を改めてきた。

「まぁ、冗談はさておき、

お嬢様があんな感情をむき出しにするのも珍しいことなんですよ」

「そうなんですか?」

 驚いて問いかけると碧と視線が合った。

見つめ返してきた碧が大きく頷いてくる。

「ええ、そうですよ。

お嬢様は昔から次期当主として見られることが多いですからね」

「ああ、そうか……みのりさんも……」

 考え込んでいると、突如携帯の着信音が鳴った。

液晶を確認すると表示されていたのは長兄の雅秋だった。

「兄貴からだ。俺ちょっと出てきます」

 携帯を持ちながら碧へ合図を送る。

「お兄さんですか。意外と弟思いだったんですね」

「いや、それはないです。確実に!」

 常よりいっそう爽やかな笑みを浮かべてくる碧へ、

力いっぱい否定する。

そうこうしているうちに、いつの間にやら着信音はとまっていた。










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