ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１２７

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

五

ⅶ

「その丸っこいのを回すようにするんだべ」

　回すと言われて見れば、

綺麗な球体になり盛り上がっている箇所が４つある。

「どっちからやればいいのかしら？　右から？　左から？」

　わからずためらっていると、太一が提案してくれる。

「横一列だから左からしてみればいいんじゃない？

ダメだったら反対からすればいいんだしさー」

「キーキキーキ」

　そうだよ、とでも言っているのか、しきり頷いているリオと太一に首肯した。

「そうね。それじゃあ左から」

　右へ動かしてみるがびくともしない。

ならば左か、と力を入れてみるものの、球体が動く気配はなかった。

「６……６……。だめだわ。動かない……」

　何度も試してみているうちに、どうやら独り言がでてしまっていたらしい。

「ん？　動かないだべ？」

　邦夫が不思議そうな声で尋ねてきた。

「はい。丸いのが動きません」

　押すのはどうだろうか、と考えながら答えると、

邦夫が切り株に近づいてきてくれた。

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