ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１３９

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

五

ⅹⅸ

「ところでここで僕たちは何を見つければいいの？」

　真面目な顔で見つめてくる太一を前に、

麻里は頬へ手をあてる。

「それなのよねえ。私にはまったくわからないのよ」

　ここは大人らしいところを見せたいところだが、

知らないのだからしかたがない。

麻里は困り果てて邦夫へ尋ねる。

「私たちは何を探したらいいんでしょう？」

　だが、答えたのは邦夫ではなかった。

「キー！」

「リオ君？」

　リオが柱を伝い、棚の奥へ行ってしまう。

「リオ、そっちに何かあるの？」

　太一が物に触らぬようゆっくりとリオを追っていくのを見て、

邦夫が口を開いた。

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