ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１４２

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

五

ⅹⅹⅱ

「次はその場所に行けばいいってことなんじゃないかな」

「キー！」

　地図があるということはそういうことなのだろう。

太一が思ったままに提案すると

里夫も賛同するかのようにひと鳴きした。

しかし、麻里は違ったようだ。

紙を隅々まで確認して見つけた小さな文字に眉を八の字にする。

「下に何か書いてあるみたいだけど……。

古代文字で読めないわ」

「わしが読んでみるべ」

　すかさず手を出してくる邦夫へ麻里は素直に紙を渡す。

「すみません。お願いします」

「任せるべ。……これは！」

　鷹揚に頷いたかと思った矢先、

邦夫の大きな丸い瞳がさらに大きく見開いた。

「なんて書いてるあるの、リオのおじいちゃん」

　何か失敗してしまったのだろうか。

太一は、動かなくなった邦夫の様子にだんだんと不安になってくる。

それは麻里も同じだったようだ。

一つ前を読む　　　 GPの部屋に戻る　　　次を読む