ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その１６０

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

六

ⅹⅵ

「その人信用できるの？」

　少し嫌味っぽい口調で問うも、

太一がなんのためらいもなく肯定してくる。

「うん。だって、お兄ちゃんはすごいんだよ。

一緒にスズメガを追いかけて種を見つけたんだから」

「キキキキキー」

　太一の説明に反応して、

リオも加勢するかのように邦夫の肩で飛び跳ねた。

どうやらそのお兄ちゃんなる人物も律子同様協力者であるようだ。

（すごい！　こんな偶然があるなんて！）

　これは土地の人、いやリオのおじいさんの言うとおり、

本当に雪姫様のお導きなのかもしれない。

「それは本当にすごいわ。さすが黄金梅の仲間ね！」

これならば、

すぐに黄金梅の実を実らせることができるのではないだろうか。

一気に気分が明るくなり、麻里は目一杯の笑みを作った。

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