ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その２１

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

一

ⅹⅹⅰ

「お姉さんは先生らしくないよな」

「そうだよねー。お姉さん可愛いから先生っぽくないよね」

　初等部にいる先生といえば厳めしい顔の先生がほとんどなため、

『先生』と言われて想像するのはどうしても初等部の先生のような

顔になってしまう。

だからというわけではないが、

麻里が教師だと言われたときには心底驚いた。

（高等部には若い先生がいっぱいいるのかな？

なんで初等部にはいないんだろう）

　太一がそんな感想を胸中で抱いていると、

翔が目をつり上げ見てきた。

「バカ太一。お前は何のんきなこと言ってんだよ」

「バカって言ったほうがバカなんですぅー」

　翔の物言いにムッとし反論すると、

麻里がやけっぱちな様子で割って入ってくる。

「そ、それでも先生なんです！

って、あら？　なんで太一君が知ってるの？」

「え、だって昨日お兄ちゃんが言ってたよ。

高等部の先生なんでしょう？」

　顔を傾げる麻里に釣られるように太一も首をひねる。

「そのお兄ちゃんっていったい……。

まあ、いいわ。それなら黄金梅のことももう知ってるのね？」

「先生ってのは本当だったんだ」

　麻里が真剣な表情でぶつぶつ話す横で、

翔がボソリと呟くのが聞こえた。

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