ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その３０

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

二

ⅰ

「さあ、どうぞ」

　太一をつれて職員寮に帰った麻里は、

エントランスからエレベーターをあがり玄関を開ける。

「お邪魔しまーす！」

　元気よく挨拶をし、迷いなく部屋へ入っていく太一に声をかけた。

「今お茶だすからちょっと待っててね」

　麻里はテーブルへ座るよう促しながら、

買い込んできた食材を冷蔵庫へ入れる。

太一がキョロキョロとあたり見回しながら、

ランドセルやらリュックをおろした。

「あれ？　お姉さんの部屋って１つしかないの？」

不思議そうに話してくる太一を前に、麻里は頷く。

「そうよ。一人で住んでるんだもの」

「ふーん、そうなんだ」

　あまりよくわかってない感じの相槌を受け流し、

クッキーにスナック菓子とオレンジジュースを用意した。

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