ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その３７

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

二

ⅷ

「ありがとう」

　受け取った葉を一枚取りだし、見分する。

渡される前は梅の葉かと思っていたが、

微妙に形が違うのがわかった。

一日経っているのに萎れた様子もなく。

みずみずしい葉を見つめながら、麻里は溜め息をついた。

「やっぱりわからないわね。何の葉っぱかしら？」

「僕もよくわかんない。木に種植えたらその葉っぱが落ちてきたんだー。

お姉さんも種、植えたから鍋がはえたんでしょう？」

　お菓子をついばみながら応えてくる太一に、麻里は頷く。

「そうなの。ちょっと待ってて」

　言い置いて、麻里は台所に置いた鍋を手に取る。

「これなんだけど、これで煮たら煙がでるの？」

　戻って太一に見せると、太一が首を縦に振った。

一つ前を読む　　　 GPの部屋に戻る　　　次を読む