ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その４１

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

二

ⅹⅱ

「あっ！　カケルに明日自慢してやろーっと」

　きっと驚くに違いない。明日会うのが楽しみだ。

瞳をまん丸に見開く翔を想像し顔をにやつかせていると、

麻里が咳払いをした。

「さ、さあ、じゃあさっそく湯気をだしてみましょう！」

　麻里が立ち上がり電気コンロを持ってくる。

本来の目的を思い出した。

太一はリュックを引き寄せ、立ったままの彼女を仰ぎ見る。

「わかった。今、葉っぱだすね」

「ありがとう。……助かった……」

「ん？　何か言った？」

　下を向きながら葉っぱをいじる音で

麻里の声がよく聞き取れなかった。

聞き返そうと見上げると、彼女は笑ったまま首を横に振る。

「う、ううん。何も？

あ、水ってこれぐらいでいいかしら？」

　半分より少し多いくらいだろうか。

麻里が水を張った鍋を見せてきた。

「んー？　わかんない。

でもお湯じゃないとダメだから早く火をつけて、お姉さん」

「わかったわ」

　急かすよう告げた言葉に対し、麻里は軽く頷く。

そしてテーブルへ置いたＩＨコンロのスイッチを押した。

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