ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その４２

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

二

ⅹⅲ

「ふふふ。なんか理科の実験みたいだね」

　ホットプレートよりもずいぶんと小さなコンロだ。

太一は、その上に置かれた鍋の中で揺れる水をじっと見つめた。

「そうね」

　相槌を打つ麻里も一緒になって鍋へ視線を向け、

しばらくすると鍋肌から小さな気泡があがってくる。

次第に大きく、早くなっていく気泡を見て

太一はそろそろかと麻里を見た。

「そろそろ葉っぱを入れてもいいんじゃないかしら？」

「もう入れても平気かな？」

　ほぼ同時に発した言葉に、どちらともなくくすくすと笑い出す。

「ええ。たぶん大丈夫だと思うわ」

「うん。じゃあ、入れるね」

「お願いね」

　麻里からの了承に太一は膝立ちをする。

そして、脇に寄せていたリュックを逆さにしようと

鍋の真上まで持ち上げた。

一つ前を読む　　　 GPの部屋に戻る　　　次を読む