ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その５

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

一

ⅴ

「久しぶりだね」

　喫茶店の薄暗い店内で、高松が梅畑市長へ微笑む。

「ああ。元気そうで何よりだ。こちらのお嬢さんは？」

　鷹揚に頷いた梅畑市長に視線を向けられるが、

答えようとするより先に高松が紹介を始めた。

「部下の小越麻里君だ」

「ああ、君が例の計画で講師としてやってきた人だね」

　高松の説明に梅畑市長が快活な笑みを浮かべる。

目をしばたたかせていると、高松が改めて市長を示した。

「小越君、君も知っているだろうが梅畑雅秋氏、黄梅市の市長だ」

　高松の紹介を受け、麻里は丁寧にお辞儀を施す。

「お初にお目にかかります。小越麻里と申します。

都の計画のこと、ご存知なのですか？」

率直に尋ねてみると、梅畑市長が肯定してきた。

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