ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その５９

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

三

ⅶ

「この子がリオ君？」

「うん。あのね。僕と同じくらいの年の男の子なの。友達なんだ」

　にこりと微笑む太一を見て、麻里は満のことを思いだす。

（そういえば、満さんも木の陰で着替えてたんだっけ……）

　合点がいって首を縦に振ると、ふと重大なことに気がついた。

（この子も変身できるってことは、着替えないとよね）

　麻里は邦夫へ向かい尋ねた。

「あの、洗面所で良ければお使いになりますか？」

　ユニットバスではあるが、人が着替えるくらいは楽にできる。

「あ、でも服がないわね……」

　一人っ子だし子持ちなわけでもないから失念していたが、

子供には子供用の服が必要だ。

いくら準備のいい太一でも着替えまでは持ってきていないだろう。

顎に手をあて考え込んでいると、邦夫がこくりと首を振った。

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