ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その６１

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

三

ⅸ

「プッ。くすくす。リオってばすっぽんぽんなんだ。ふふふ。アハハハ」

「キキキッ！　キー！　キキーキッキキー！」

　太一の言葉へ邦夫につままれたままのリオがじたばたとし始める。

「ごめん、ごめん。ところでなんでムササビの格好してたの？」

　軽く詫びを入れて首をかしげる太一を前に邦夫が声をあげた。

「おー、そうだった」

　リオを床へおろし太一とこちらを交互に見ると、

突然ウルウルと瞳を潤ませる。

「お、おじいさん？」

「おじいちゃん？　ど、どうしたの？」

　麻里は驚き太一とともに邦夫の肩に手を置く。

「まさか、まさかわしの代で呼ばれるとは思ってもみなかった。

ありがとう、太一くん。ありがとうお嬢さん」

　咽び泣き始める邦夫を前に、麻里と太一は目を見合わせ困惑した。

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