ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その８２

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

三

ⅹⅹⅹ

「ああ。もちろんだべ。

わしら野臥間家は、湯気で呼び出した者を導く使命を

雪姫様から託されているんだべ」

「雪姫って……ほ、本当にいるんですか？！」

　邦夫の気迫に負けたのか、麻里が微かに声を震わせ後ずさる。

太一はこの隙にとばかりに二人の会話へ割り込んだ。

「ねえねえ、どういうことなの？

リオのおじいちゃんは僕たちが出した湯気でここに来たってこと？」

　質問していたのはこちらのほうが先だったのに。

太一は少しムッとしながら、麻里の腕を引っ張った。

しかし彼女はこちらの機嫌など気づく様子もなく、

なおざりな返事をしてくる。

「そうみたい。太一君のお友達が来たってことは、

太一君も場所を知ってるってことなのかしら……」

　一人考え込む麻里へ太一がふてくされていると、

彼女の疑問に頷いた邦夫がわかりやすい説明をしてくれた。

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