ＧＰ２～太一＆麻里の場合～その８６

Gold Plum

第二章

交錯

～太一＆麻里の場合～

三

ⅹⅹⅹⅳ

「じゃぁ、行く準備しないとだね。

お姉さん。この茹で汁をこの中に入れて」

　リュックから空ペットボトルを取りだし渡してくる。

「わかったわ」

　なんて気のつく子なのだろう。

最近の小学生はみんなこんな感じなのだろうか。

そういえば、あの翔とかいう子も何気に聡い子だった気がする。

麻里は急に老けこんだ気分になりつつ、

ペットボトルへ茹で汁を入れた。

「はい。これでいいかしら？」

　ペットボトルを渡すと、太一が微笑む。

「ありがとう。あとは……」

　リュックへボトルを詰めながら、太一が邦夫へ問いかけた。

「ねえ、リオのおじいちゃん。

鍋とか茹でた葉っぱとかも持って行ったほうがいいかな？」

　邦夫を見て首をかしげる太一へ邦夫が頷く。

「もちろんだべ。太一君よく気がついたなー。えらいべ」

　感心したように何度も首を振っている邦夫へ、麻里は疑問を口にした。

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