ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その１０５

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

六

ⅴ

「ところでお手伝いって、どんな手伝いなんです？

黄金梅と何か関係ある手伝いなんですか？」

「関係があるも何も。

黄金梅の実をならす手伝いに決まってるだろうが」

　何を言っているんだと言わんばかりに山波が顔をしかめてくる。

しかし律子はそれどころではなかった。

「え！　試練って黄金梅を実らせるってことなんですか？」

　まさか次期当主までもが黄金梅を実らせようとしているとは

思わなかった。

素っ頓狂な声をあげるこちらに、山波が首をかしげ聞いてくる。

「そうだが？　それがどうかしたか？」

　山波の平然とした態度に、律子は逆に戸惑う。

「いや、だってほら、

私も黄金梅を実らせようとしてるじゃないですか」

「うむ。そういえばそうだったな」

　要点のみを伝えると、

山波が思い出したようにポンと手を叩いて頷いた。

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