ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その２５

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

二

ⅹⅳ

「べ、べべべべ弁償しますから！　はい！」

　必死で頭を上げ下げしていると、脇から朔太郎の手が飛んでくる。

「正志、落ち着け」

　頭にチョップを食らい、我に返った。

どうやらまたしても角がでてしまっていたらしい。

「す、すみません。ついうっかり……」

　頬を高揚させつつ頬をかくと、

邦夫が苦りきった様子で腕を組んだ。

「うっかりじゃねーべ。

そろそろ落ち着かんと昨日の娘さんにも愛想つかされるべ」

　芽衣子のことを言われ、頭に血が昇る。

「め、芽衣子ちゃ、

じゃなかった芽衣子さんはそういうところがいいって言ってました！」

　身を震わせつつ声を荒らげると、麗がふふふ、と笑った。

「芽衣子ちゃんったらなんていい子なのかしら。

でもだからといって進歩のない男は嫌われるわよ」

「そそそそそ、そんな！　そんなことないよ！　……ですよ」

　麗の言葉に身の毛がよだつ。

必死で否定したが、正直自信はなかった。

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