ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その２６

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

二

ⅹⅴ

（芽衣子ちゃん、やっぱり男らしい奴のほうが好みなのかな……）

　はっきり言って自分は女々しいほうだし、

日々成長しているという実感もない。

（愛想つかされてもしょうがない……のかな……？）

　ずぶずぶと落ち込み溜め息をつく。

今度会ったら思い切って訊いてみよう。

そう決心し前を向く。

暗くなる心に叱咤して女性を見やった。

「とにかく、お送りしますので。荷物をこちらへ」

　再度手を差し出すと、あからさまに疑いの目で見てくる。

「本当に弁償してくれるんでしょうね？

うちはこれがないと大変なんですよ。

ただでさえ、萌の自転車だって返ってきてないのに……」

　文句を言い募る女性へ首を縦に振って見せた。

「は、はい！　必ず」

　断言してみせたのに、女性の不審げな態度は変わらない。

（これ以上話しても無駄かも）

　自分は一刻も早く芽衣子に会って、事実を確かめなくてはならないのだ。

飛田は意を決し女性に一歩近づく。

「さ、荷物を持ちますから」

「え、あ、ちょ、って、何するのよ！」

　むりやり女性からトートバッグを取りあげたその瞬間、

中身が飛び散った。

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