ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その３３

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

二

ⅹⅹⅱ

「流行？　いえ、流行じゃなくて僕の知り合いの人も

偶然ならせてしまっただけなんですけど……」

　怒りを抑えてもらいたい、と内心焦っていると、

律子が小さく首をかしげてきた。

「そういえば麻里さんからも似たようないい香りがしたわ」

　律子の言葉に飛田は目を剥く。

「麻里さんって言う方も梅を植えたんですか！」

　興奮して鼻息を荒く律子に詰め寄ると、

後ろから朔太郎と邦夫の声がした。

『正志』

「す、すみません……」

　どうやらまたしても角がでてきてしまったらしい。

律子が警戒気味に身を硬めながらこくりと頷く。

「え、ええ。そう言って昨日散々な目に……って今更ですが、

梅の種ってもしかして黄金梅の話ですか？」

　目を見開き訊いてくる律子へ飛田は何度も首肯した。

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