ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その４９

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

三

ⅹⅳ

「これから一生懸命頑張ります！」

「あなたならできるわよ。ううん。死ぬ気で頑張りなさい」

「はい！」

　飛田は決意とともに頷く。

律子に励まされ俄然やる気がでてきた。

（僕やれそうだよ、芽衣子ちゃん！）

　瞳を潤ませていると、善郎が呟いた。

「お前らなあ……」

　呆れたような物言いに、飛田は本来の目的を思いだす。

「そういえば、お義父さん。

野木崎さん、ちょっと変わった石を持ってるんですよ」

　危うく律子を善郎のところへつれてきた目的を、

忘れそうになっていた。

（危ないあぶない！）

　内心ほっと胸をなでおろしていると、

律子がクリーム色のトートバッグへ手を突っ込む。

「あ、そうそう。そうなんです。

実は飛田さんと会う前に蜂万神社へ行ってきて実らせてきたんです」

　ふふふ、と得意げな笑いを漏らす律子からそっぽを向き、

善郎がこちらを見てくる。

「ふん。そんな物より木版だ！　見つけてきたんだろうな？」

　腕を組み不機嫌そうな声音で尋ねられ、飛田は姿勢を正した。

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