ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その５０

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

三

ⅹⅴ

「あ、はい。これです」

　三長老から預かった木版を手渡すと、善郎の渋面が若干和らぐ。

「よしよし」

　満足げに木板をなでる善郎を見つめながら、

飛田は話を戻した。

「その木版なんですけど、

野木崎さんの石が関係あるんじゃないかと思うんです」

　冷静に自らの考えを告げると、善郎と律子が同時に目を見開いた。

「そうなのか？」

「え、そうなの？」

　目を瞬かせる2人を前に、飛田は首肯する。

「はい。あ、たぶんですけど……」

　正解だとは思うが自信はなく、

俯き頬をかいていると善郎が小さく膝を打った。

「すまんが、あんた、ちょっと見せてくれないか？」

「あ、はい」

　問いかける善郎に肯定し、律子がとめていた作業を再開する。

ゆっくりとカバンの中から石を取りだすと、机の上にばらまいた。

「これが？

……ふむ……普通の石に見えるが……何か書いてある、のか？」

「変わった模様ですよね」

　ためつすがめつしている善郎へ、律子が言葉を添える。

「たぶん、黄梅古語だと思うんですけど……」

　飛田も律子に倣い口を開く。

ためらいがちに告げると、善郎が唸った。

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