ＧＰ２～善郎＆律子の場合～その６１

Gold Plum

第二章

交錯

～善郎＆律子の場合～

四

ⅵ

「僕のお義父さんです！」

「俺はお前の父親じゃねえ！」

　山波が飛田の言葉を間髪入れずに反論する。

その言葉に飛田がシュンと肩を落とした。

律子は悲壮感漂う青年の背中を慰めるように軽く叩く。

「未来のお義父さんよね」

「はい！」

　意気消沈していたのが嘘だったかのように

飛田の顔には笑みが広がった。

律子は立ち直りの早い飛田に、呆気にとられる。

その間にも男たちの会話は続いた。

「はい、じゃねえ！　でてけー！」

「未来のだと……ってことは、あれか？

お前、この人間の娘と付き合ってんのか？」

　満は山波の怒鳴り声を無視し、飛田へ詰め寄る。

信じられないようなものを見る満の視線に、

飛田が目をぱちくりとまたたかせ、首を傾げた。

「そうですけど」

「正志、わかってるのか？　相手は人間なんだぞ」

「そうだそうだ！」

　満の言葉に山波が腕を組んで頷く。

律子は彼らの会話を黙ったまま聞いていた。

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