Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




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 涼介が去った後も、彼に抱きしめられた感触が消えずにいる。

みのりは身悶えたくなる気持ちを、腕を組むことで誤魔化した。


(もうなんなの!)


 紅が一人で二人の獣人たちを相手にしているというのに、

非常識にもほどがある。

わかってはいても中々、

気持ちを切り替えることができずにいた。

そんなこちらに冷水を浴びせるかのように突如、

太一の叫び声が聞こえてくる。


「う、うわぁぁぁー!!」


 とうとう車の中にいる少年にまで敵の手が伸びて

しまったのだろうか。

涼介のことばかりグルグル考えていたことなど

一瞬にして遠くへ追いやり、みのりは声のする方へ視線をやった。


(太一君!)


 一人置き去りにされ、外の様子が気になったのだろう。

こちらを窺うように少年がそろりと車内から顔を出していた。










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