Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




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「こっち、こっち! 早く来てよ!」

 声のしたほうへ視線を送ると、太一が従業員を連れてやってきた。

「お兄ちゃーん! 助けに来たよー! ってあれ? さっきの人たちは?」

 必死の面で駆け込んできた太一へ涼介は微笑む。

「ありがとう太一君。もう大丈夫。どこかへ行っちゃったからね」

 膝を折って太一へ答えると、太一が目を瞬いた。

「そうなの? よかった。あ、みのり様は大丈夫?」

 太一の問いにみのりが柔和な笑みを浮かべる。

「大丈夫よ。太一君のおかげで助かったわ。ありがとう」

 みのりに礼を言われて照れたようすの太一を見て微笑ましく思っていると、

後に控えていた紺色の法被を着た従業員がおずおずと声をあげた。

「あのお……、これはいったい何が……?」

 状況が把握できず戸惑っているらしい従業員へ、

碧が満面の笑みを浮かべる。

「お騒がせしてしまい申し訳ありません。突然暴漢に襲われてしまったようで……」

 碧の言葉に従業員が目を剥く。

「それは! すぐにでも警察へ連絡いたしますので! はい!」

 慌てて中へ戻っていく従業員を見ながら、

事が大きくならないといいが、と涼介は吐息した。










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