Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




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「は、はい……。一応……」


 うつ向きいているため顔は見えないが、

紺色のスーツを着た細身の女性が男性の手を借りて出てくる。

しかし、少年と目線を合わせるためにしゃがみこんでいた涼介は

気づいていないようだ。


「太一君! 大丈夫だったかい?」


 涼介は親しげに少年の名前を呼びながら、

怪我はないかと身体を見分している。

くすぐったそうに身をよじりながら少年、太一が

笑顔で首を縦に振った。


「うん。ぼくは大丈夫。でもお姉さんが……」


 弧を描いていた眉を一瞬にして八の字にし、

太一はちらりと女性へ視線を向ける。

涼介もそれにつられるように顔を動かした。


「お姉さん? ってさっき言ってた人かな?」


 涼介の声に女性が顔をあげる。

短い黒髪の下にある小動物のような愛らしい顔立ちを目にした瞬間、

みのりは自分の目を疑った。

なぜ彼女がここにいるのだろうか。

想定外の人物の登場に思考が停止する。

だが、そんなこちらのことなどお構いなしに

涼介たちは和やかに話を進めていた。










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