Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIF




「べ、別にあんたのためじゃないんですからね。

その傷がみっともなく見えるから仕方なくよ。はいこれでいいわ」

 文句を言いながら絆創膏を頬へ貼ってくれるみのりを前に、

なんとなく胸のあたりが温かくなった。

「助かったよ」

 口元を綻ばせてみのりの瞳を見つめると、みのりが軽く鼻を鳴らし立ち上がった。

「碧、紅行くわよ」

「はい。お嬢さま」

 踵を返すみのりへ紅が頷く。

涼介は碧たちのほうへ歩いていくみのりを眺めながら、貼られた絆創膏を擦る。

とたんに体温がじわじわと上がってくるのを自覚して、涼介は下を向いた。

「お嬢様たちを待っていたんですけどねー」

 ぼやく碧の言葉に涼介は頭が煮えるようだった。

「お待たせしてすみません。碧さん」

 上がってしまった熱をどうにか冷まして碧へ近づくと、

碧が柔和に微笑んでくれる。

「いえいえ問題ありませんよ。それよりもお嬢様を守ってくださって

ありがとうがとうございました、涼介君」

「あ、いえ。当然のことですから」

 碧から面と向かって礼を言われると、どうにも照れた。










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