Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIG




(それに、これってやっぱり分家の役目だしな)

 少しは役に立つところを見せないと、梅八家の名がすたる。

今までそこまで意識してこなかったのだが、

みのりを前にして自分も彼女を護るために存在している人間なのだと自覚させられた。

(だって、思った以上にほっそいし、小さいし、それにあの目がなあ……)

 いじっぱりなのにやたら澄んだあの黒い瞳を思いだし、涼介は吐息する。

本来は初代雪姫と同じ碧い瞳だと聞くが、実際に見たことはなかった。

おそらくカラーコンタクトでもしているのだろう。

あの瞳に見つめられるとどうにも尻の辺りがむずむずしてしまうのだから、

裸眼で見つめられたらどうなってしまうのだろうか。

(まいったなあ……)

 こんなことばかり考えてしまうとは。

やはりここのところ少し頭が混乱しているらしい。

困って一人頬をかいていると、後方で太一の声がした。

「あの二人はやっぱりラブラブなんだね、ね、おじちゃん」

「だな! いいねえ、若いってえのは!」

 太一の声に善郎が一も二もなく同意する。

「ふふふ。ねー」

 楽しげに笑い合う二人に抗議しようと振り向くと、

善郎の隣にいた麻里が手を合わせだした。

「律子さん! 無事でありますように!」

「あ、そうだ! おばちゃんだ!」

 麻里の言葉を聞き太一が叫ぶ。

(やべっ!)

 こんな重大なことを忘れていたなんて。

涼介は個人的な想いに囚われすぎていた自分を恥じた。










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