Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




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「早く! 早く、おばちゃんを助けに行こう!」

「太一君、一人じゃ危ないよ!」


 宿の中へ入るや、待ちきれなかったのか太一が我先にと駆け出す。

そのあとを涼介が追いかけて行く。

しかし涼介の心配をあざ笑うかのように、

みのりたちが『すずらんの間』の前に到着すると

厳つい顔をした男が太一を見下ろしていた。

あの男も外で襲ってきた狸の獣人たちの仲間なのだろうか。

一般客である可能性も捨てきれずにいる中、

眉間にしわを寄せている男が太一へ詰め寄った。


「なんだ! ガキんちょか!」

「太一君!」


 涼介の声が廊下へ響きわたる。


「紅、碧、太一君を守って」


 太一に危害が加わるのは見過ごせない。

みのりは碧と紅の顔を見る。


「わかった」

「了解しました」


 こちらを見て頷くと紅と碧は、

太一を救い出そうと少年の前へ躍り出た。

だが、一歩遅かったらしい。


「え、え、何? わっ、離してよ」


 自分たちの姿に気づいた男が、

こちらへ来ようとする太一の襟足を掴んだ。










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