Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
一
IA
「あ、はい。小越麻里と申します。よろしくお願い申し上げます」
「どうも。梅畑涼介です」
名を言いながらお辞儀をする女性の姿に
みのりは居ても立ってもいられなくなり、
涼介を押し退けるように二人の間に割って入った。
「先生! なぜあなたがここに?」
「梅宮さん! どうしてここに?」
まさか知っている人間が、それも教え子の自分がいるとは
思ってもみなかったのだろう。
麻里は、何度もまばたきを繰り返えしていた。
しかし、それはこちらも同じだ。いやそれ以上かもしれない。
みのりはなぜ麻里がここへいるのか問いただすために詰め寄った。
「それはこちらのセリフです」
「え? 知り合い?」
「お姉さん、こっちのお姉さんのこと知ってるの?」
涼介と太一の驚いた声が重なる。
「学校の教師よ」
みのりは麻里と自分へ交互に目線を向ける涼介へ
ぶっきらぼうに告げた。
その答えに納得したのか頷きながら、手をポンと叩いた。
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