Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
一
IB
「あ、そういえば、高校のところでお会いしましたよね?」
(高校? って、そうよ。
あのときは見つかりたくなかったから車で逃げたけど、
高校になんの用があったのかしら?)
家出が両親にバレ、逃げるように学園から出たときに
すれ違っていたこと思い出す。
涼介の通う大学部は初等部、中等部、高等部とは違う
少し離れた場所にある。
大学生の彼がわざわざくる必要のない高等部へ何しにきたのか。
みのりは訝しげに涼介を見た。
しかし麻里と話している涼介はこちらの視線など気づいていない
ようだ。
みのりはため息をついた。
彼に問いただすのはあとでもいいだろう。
そらよりも今は目の前で何か探ろうと窺うように、
涼介とこちらへ目線を向ける教師のほうが重要だ。
そう結論づけ、彼女を見つめた。
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