Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IH




 みのりは急になくなった温もりに心細さを感じ、

掴まれていた腕を抱え込む。

ほどなくして涼介の声が少し離れた場所から聞こえてきた。


「ごほごほごほ、これでどうだ!」


 廊下の窓を開けに行ってくれたのだろう。

ガラガラという音と共に白い煙が一方向に動き出す。

徐々に薄まっていく煙幕に比例して

みんなの姿をとらえることができた。

山波と麻里が太一を守るように両端に座っている。

碧と言えばちゃっかり咳込んでいた紅の背中を撫でていた。

まだ若干の息苦しさは残っているものの

視界がはっきりしたおかげで気分も晴れたような気がする。

狸を逃してしまったことは悔しいが、

みんなが無事なことにホッと息を吐き出す。


「の、野木崎さんは……?」

「煙幕も薄くなったことですし、部屋へ入りましょう」


 おもむろに聞こえてきた涼介の言葉に

紅の隣にいた碧が立ち上がった。










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