Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




II




「は、はい!」


 先導する碧の後ろへ涼介がつく。

そのあとを紅と一緒に追いかけた。

女性は無事だろうか。

猪が壊して行った扉があった場所を抜けると、

微かにまだ白い煙が充満していた。

ドアがなくなってしまったせいで煙が玄関口にまで

入ってしまっていたようだ。

室内にいる女性は大丈夫だろうか。

焦燥感に駆られるが、まだ敵が潜んでいる可能性がある。


「おばちゃん!」


 警戒しながら進んでいたせいか、

最後尾にいたはずの太一が追い抜いて行ってしまった。


「お、おい! 坊主!」

「太一君!」


 山波と涼介が太一を止めようとするが、

少年は勢いよく部屋のドアを開ける。

そしてそのまま室内に入って行ってしまった。


「おばちゃん! 大丈夫? おばちゃん」

「むむむむーん! むむむむーむむむーむーむーむー」


 太一の後を追いかける形で室内に足を入れると、

ベッドの上で口はふさがれ、

腕と足首を縛られている女性の姿があった。










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