Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
五
II
「は、はい!」
先導する碧の後ろへ涼介がつく。
そのあとを紅と一緒に追いかけた。
女性は無事だろうか。
猪が壊して行った扉があった場所を抜けると、
微かにまだ白い煙が充満していた。
ドアがなくなってしまったせいで煙が玄関口にまで
入ってしまっていたようだ。
室内にいる女性は大丈夫だろうか。
焦燥感に駆られるが、まだ敵が潜んでいる可能性がある。
「おばちゃん!」
警戒しながら進んでいたせいか、
最後尾にいたはずの太一が追い抜いて行ってしまった。
「お、おい! 坊主!」
「太一君!」
山波と涼介が太一を止めようとするが、
少年は勢いよく部屋のドアを開ける。
そしてそのまま室内に入って行ってしまった。
「おばちゃん! 大丈夫? おばちゃん」
「むむむむーん! むむむむーむむむーむーむーむー」
太一の後を追いかける形で室内に足を入れると、
ベッドの上で口はふさがれ、
腕と足首を縛られている女性の姿があった。
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