Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
一
IC
「ええっと……? すみません。覚えてないんですが……。
それより、梅宮さんとはどういうご関係ですか?」
みのりは突拍子もない麻里の発言に体温を一気に上昇させる。
わかる人にはわかってしまうのだろうか。
学園中に見合い相手のことが広がってしまうかもしれない。
いくら個人情報にうるさいとはいえ、学園の中だ。
人の噂に戸が立てられないのと同じで、
気づいたら全校生徒に知られているなんて可能性は
おおいにありうる。
なんとしでも誤魔化さなければ。
「ど、どういう関係って、なんの関係もないわよ!」
平静さを装うつもりが裏目に出て力んでしまった。
これでは関係があると言っているようなものだ。
焦りとともに首筋に汗が滲んだ。
だが、喜んでいいのか。
思った以上に小越麻里という教師は鈍感だったらしい。
「そうなの?
確かお兄様がいらっしゃるとか聞いてたんだけど……。
あ、でもそういえば苗字が違うわね」
のほほんとにこやかに微笑んでくる麻里に、
みのりは脱力した。
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