Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IC




「ええっと……? すみません。覚えてないんですが……。

それより、梅宮さんとはどういうご関係ですか?」


 みのりは突拍子もない麻里の発言に体温を一気に上昇させる。


 わかる人にはわかってしまうのだろうか。

学園中に見合い相手のことが広がってしまうかもしれない。

いくら個人情報にうるさいとはいえ、学園の中だ。

人の噂に戸が立てられないのと同じで、

気づいたら全校生徒に知られているなんて可能性は

おおいにありうる。

なんとしでも誤魔化さなければ。


「ど、どういう関係って、なんの関係もないわよ!」


 平静さを装うつもりが裏目に出て力んでしまった。

これでは関係があると言っているようなものだ。

焦りとともに首筋に汗が滲んだ。

だが、喜んでいいのか。

思った以上に小越麻里という教師は鈍感だったらしい。


「そうなの?

確かお兄様がいらっしゃるとか聞いてたんだけど……。

あ、でもそういえば苗字が違うわね」


 のほほんとにこやかに微笑んでくる麻里に、

みのりは脱力した。










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