Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
@
夜わさび谷へ戻ったあと、
涼介たちは全員食事もそこそこに布団へと入った。
涼介は夢の中でまで何やらドタバタした夢を見たようで、
うんざりして起きるとちょうど朝日が顔を覗かせたところだった。
(あー身体痛ぇ……)
昨日は狂乱とまではいかないかもしれないが、
一日で数年分の気力と体力を使った気がする。
溜め息とともに右隣を見ると、
太一が気持ちよさそうに寝息をたてていた。
案外タフな子だと思いながらその先を見ると善郎がいて、
彼も小さないびきをたてていた。
(碧さんは……?)
ふと左隣へ視線を送ると、碧も身体を背けて布団をかぶっている。
(眠ってるんだ……)
自分より先に起きていない碧がなんだか不思議な気がして、
涼介は目を瞬かせる。
碧だって人間なのだから睡眠は必須だろう。
だが、何故だろう。
碧には背中を見せて眠るはずがない、などと思わせる何かがあった。
(まあ、昨日の今日だしな……)
碧と紅が一番割りを食っていたはずだ。
(もうひと眠りするか)
二度寝は起きた後が辛いが、
これだけ気持ちよく眠っているのを邪魔するのもよくない。
涼介は布団へ横になり、もう一度目を閉じた。
一つ前に戻る GPの部屋に戻る 次を読む
|