Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
G
雪姫は周囲の視線が自分に集まっているとようやく気がついたらしい。
満面の笑みで大きく手を振っている。
「よろしくマロー」
「え、あ、はぁ、こちら、こそよろしくお願いします?」
雪姫から小さな手を差し出され、
律子は戸惑いつつも一差し指でそれに応えていた。
みのりがそれを黙ったまま眺めていると
涼介と話をしていた碧が近づいてくる。
「お嬢様、
これで野木崎さんも黄金梅に関わっていると判明されましたね」
「ええ、そうね」
碧と同じ結論に達したことがわかり密かに安堵する。
しかし、問題がすべて解決したわけではない。
むしろ雪姫が見える人々の条件はわかったが、
ますます疑問が増えたように思える。
(そもそも黄金梅を実らせるのに複数の人がいていいのかしら?)
古文書には人数について記載されてはいなかったはずだ。
仮に願いが叶うと言われている黄金梅を複数人で実らせてしまった場合、
誰の願いを聞き入れられるのだろうか。
それとも実らせた全員の願いが叶うってしまうのだろうか。
(……そんな虫のいい話、あるわけないわよね)
みのりは大人3人に構われ、
嬉しそうに笑っている雪姫を眺めながら自嘲気味に笑った。
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