Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
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「いや、そうじゃないんですけど。夜中寝る前に考えたんですが、
俺、太一君と種植えた時に何かの取っ手みたいなのが生ったんですよ。
それで、雪姫様がでてきた時期を鑑みて、その取っ手と氷ってもしかして
関係があるんじゃないかなって」
周囲から集められた視線にためらいつつ涼介は仮説を唱える。
すると、同じように箸を置いたみのりが、そういえば、と話題を広げてきた。
「私も山波さんと一緒に種を植えたときに変な金属が出てきたわ……」
みのりの言葉に小越が小さく手をあげる。
「あ、私も持ってます。あ……でも今は持ってないんですけど……」
一斉に小越へ視線が集まり、
小越がきまり悪げに身体をもぞもぞとさせた。
(小越さんの種からもでてきたってことは、あの金属は何か関係があるんだ)
だがいったい何に。
それぞれが金属片ということは、それで何かを作れ、ということだろうか。
顎に手をあて考えていると、紅がみのりを見た。
「お嬢さま」
みのりへ声をかけ、そっと彼女の手に布で包まれた何かをを渡す。
(あれか……)
中身に入った金属はどんな形をしているのだろう。
涼介は身を乗りだし、みのりの手の中にある白い布に注目した。
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