Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IA
「ありがとう。紅。これよ」
テーブルの真ん中へ包みを置きさっと布を取る。
でてきたものは丸くぎざぎざした金属片だった。
(なんかナルトの外側みたいな形だな……)
まあ、おそらくは何かの歯車なのだろうが。
(それに、金属片を組み合わせたとして、それをどうする?)
唇を噛み思考を巡らせるが、まだ判然としない。
(もしかして、何かを削る、のか?)
氷を、という雪姫の言葉が頭をよぎる。
(氷? いやいや、こんなのでどうやって氷を削るんだ?)
わからない。
涼介は一人食事へ夢中になっている太一へ問いかける。
「太一君、今取っ手は持ってる?」
唐突に話を振ると、
太一が口に含んでいた物を必死で飲み込もうとする。
「うっ? もぐ、んっと、
あ、部屋にリュック置いてきちゃったから取ってくるね!」
必死で噛み飲み込んだ太一が笑顔を向けてくる。
「食事中にごめんよ」
せっかく楽しんでいるところに水を差してしまったらしい。
涼介は申し訳なく思って頭をさげる。
だが、それより先に立ち上がった太一は、
飛ぶような速さで部屋を出て行ってしまった。
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