Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IA




「ありがとう。紅。これよ」

 テーブルの真ん中へ包みを置きさっと布を取る。

でてきたものは丸くぎざぎざした金属片だった。

(なんかナルトの外側みたいな形だな……)

 まあ、おそらくは何かの歯車なのだろうが。

(それに、金属片を組み合わせたとして、それをどうする?)

 唇を噛み思考を巡らせるが、まだ判然としない。

(もしかして、何かを削る、のか?)

 氷を、という雪姫の言葉が頭をよぎる。

(氷? いやいや、こんなのでどうやって氷を削るんだ?)

 わからない。

涼介は一人食事へ夢中になっている太一へ問いかける。

「太一君、今取っ手は持ってる?」

 唐突に話を振ると、

太一が口に含んでいた物を必死で飲み込もうとする。

「うっ? もぐ、んっと、

あ、部屋にリュック置いてきちゃったから取ってくるね!」

 必死で噛み飲み込んだ太一が笑顔を向けてくる。

「食事中にごめんよ」

 せっかく楽しんでいるところに水を差してしまったらしい。

涼介は申し訳なく思って頭をさげる。

だが、それより先に立ち上がった太一は、

飛ぶような速さで部屋を出て行ってしまった。










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