Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIG




「涼介君の言う通り対策は大切だと思いますよお嬢様。

ですが、その話の前に涼介君大切なことを忘れてはいませんか?」

「え? なんでしょう、碧さん?」

 訳がわからず眉根を寄せると、紅がぽつりと呟く。

「……氷」

「さすが僕の紅ですね。正解です。そうですよ涼介君。氷です。

かき氷器が作れたとしても氷がなくては雪姫の所望しているものは

作れないんじゃないでしょうか?」

 そうだった。

涼介は無言のまま目を見開く。

氷よりみのりの安全のほうが大事だとばかり考えていて、

肝心のことを失念していた。

(なんだってこんな単純なことがわからなくなってたんだ?)

 いささか熱くなりすぎていたようだ。

らしくない、と首を振りリセットを試みていると、みのりが口を開く。

「雪姫ってことあるごとに氷、氷言ってたけど、

あれって『かき氷』のことを言ってたのね」

 みのりの言葉で現実に以前雪姫が言っていたことが頭を駆け巡った。

(たしかあの時、コンビニの氷を買って持っていったけど、

「違う」って言われたんだよな)

 ということは、何か別の氷で作らなくてはならないということだ。

やっとのことでそこに思い至り、涼介はぽんと手を打つ。

「そうか! 氷に縁がある、もしくは氷の出る神社か寺院を探さないと!

……でもどこなら氷がでるんだろう……」

 ヒントを思いだしたのはいいが、肝心の氷の出る場所がわからない。

涼介は虚空を睨み考えを思考を巡らせた。 










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