Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IIIB
「何? 何か変なことが書かれているの?」
みのりは身を乗り出すようにして碧の手元を覗き込む。
「いや逆です。地図しか書かれておりません」
首を横に振りながら差し出された紙を受け取る。
碧の言うとおりそこには簡易的な地図が描かれているだけだった。
(これってこの描かれている場所へ行けってことでいいのよね?)
これまでヒントと言えば古字で書かれた文章だったり、
物と物を掛け合わせ新たなものを発現させたりと
一風変わったものばかりだった。
それが今回はただの地図だ。
まだ他にあるのではないかと勘ぐりたくなる。
しかし、紙を裏返して見ても反対面に描かれている地図が透けるだけで
新しい発見をすることはできなかった。
何か見落としがあるのだろうか。
みのりがじっと紙を見つめていると、涼介が口を開く。
「もしかして、
氷がでる神社っていうのは八蜘蛛神社だってことですか?」
「そうかもしれないし、そうでないかもしれない。
ですが現段階ではその可能性が最も高いのではないでしょうか」
涼介の問いに、碧が曖昧な返答をする。
さすがの碧でも断言できるほどの確証を持ててはいないのだろう。
碧が眉間に寄った皺をほぐすように目頭を揉むと、
涼介がぽつりとつぶやいた。<
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