Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIIB




「何? 何か変なことが書かれているの?」


 みのりは身を乗り出すようにして碧の手元を覗き込む。


「いや逆です。地図しか書かれておりません」


 首を横に振りながら差し出された紙を受け取る。

碧の言うとおりそこには簡易的な地図が描かれているだけだった。


(これってこの描かれている場所へ行けってことでいいのよね?)


 これまでヒントと言えば古字で書かれた文章だったり、

物と物を掛け合わせ新たなものを発現させたりと

一風変わったものばかりだった。

それが今回はただの地図だ。

まだ他にあるのではないかと勘ぐりたくなる。

しかし、紙を裏返して見ても反対面に描かれている地図が透けるだけで

新しい発見をすることはできなかった。

何か見落としがあるのだろうか。

みのりがじっと紙を見つめていると、涼介が口を開く。


「もしかして、

氷がでる神社っていうのは八蜘蛛神社だってことですか?」

「そうかもしれないし、そうでないかもしれない。

ですが現段階ではその可能性が最も高いのではないでしょうか」


 涼介の問いに、碧が曖昧な返答をする。

さすがの碧でも断言できるほどの確証を持ててはいないのだろう。

碧が眉間に寄った皺をほぐすように目頭を揉むと、

涼介がぽつりとつぶやいた。<










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