Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
六
IIIC
「八蜘蛛神社なら俺の家の近くです」
涼介の言葉に碧が頷く。
「そうでしたね。あの辺りは梅畑家の所有地に近い」
「なら早速みんなで行ってみましょうよ。
そしたら氷が出るかすぐにわかるでしょう。
帰りに先生の家へ寄ればいいのだから」
碧の言葉にみのりは席を立つ。
それを引き止めるかのように涼介が遮る。
「それなら俺が行く。君は一度本家へ戻ったほうがいい」
バカのひとつ覚えのように同じことを掘り返してくる涼介に、
みのりは、ふん、と鼻をならす。
「しつこい男ね。さっき戻らないって言ったでしょう」
「俺は納得したなんて言ってない」
食ってかかってくる青年に、みのりは深くため息を吐いた。
「別にあんたが納得しなくても構わないわよ。
私は家には戻らないんだから」
涼介には事の重大さがわかっていないようだ。
だが詳細を一切明かしていないのだから、
それも仕方のないことなのかもしれない。
(まあ全部言ったらなおさら、
帰れと言われてしまいそうだけどね)
みのりはくすりと肩を竦める。
そして涼介との話を一方的に終了させ部屋から出ることにした。
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