Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIIC




「八蜘蛛神社なら俺の家の近くです」


 涼介の言葉に碧が頷く。


「そうでしたね。あの辺りは梅畑家の所有地に近い」

「なら早速みんなで行ってみましょうよ。

そしたら氷が出るかすぐにわかるでしょう。

帰りに先生の家へ寄ればいいのだから」


 碧の言葉にみのりは席を立つ。

それを引き止めるかのように涼介が遮る。


「それなら俺が行く。君は一度本家へ戻ったほうがいい」


 バカのひとつ覚えのように同じことを掘り返してくる涼介に、

みのりは、ふん、と鼻をならす。


「しつこい男ね。さっき戻らないって言ったでしょう」

「俺は納得したなんて言ってない」


 食ってかかってくる青年に、みのりは深くため息を吐いた。


「別にあんたが納得しなくても構わないわよ。

私は家には戻らないんだから」


 涼介には事の重大さがわかっていないようだ。

だが詳細を一切明かしていないのだから、

それも仕方のないことなのかもしれない。


(まあ全部言ったらなおさら、

帰れと言われてしまいそうだけどね)


 みのりはくすりと肩を竦める。

そして涼介との話を一方的に終了させ部屋から出ることにした。










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