Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
一
IG
「女将まで……。っているんだったら、
早く言ってくれればよかったのに……」
碧と一緒に来ていたのだろうか。まったく気配を感じなかった。
女将とは今回が初対面だが、
普通の人とは違うような気がしてならない。
「あ、じゃあ、僕と芽衣子ちゃんはここで」
(碧があんな態度とるんだから、絶対裏がある人よね)
他者に対してどちらかと言えば丁寧な対応をする側近ではあるが、
それは別に彼が良い人だからではない。
ただ円滑にことを進めるための処世術だと聞いたことがある。
(幼児に向かって取り繕わなきゃ敵だらけなるから面倒なんですよー
なんて笑いながら言う側仕えも碧くらいよね)
母で、梅宮の当主である美都子にすら物怖じすることのない男だ。
その彼が女将に対しては何かいつもと違う様子を見せている。
(畏怖って感じとも違うし……牽制してるの?
ううん違うわね。あれは警戒って感じだわ)
涼介たちは気づいていないと思うが自分にはわかる。
だてに彼の主人をしているわけではない。
だからこそ女将の存在が気になって仕方なかった。
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