Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




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「女将まで……。っているんだったら、

早く言ってくれればよかったのに……」


 碧と一緒に来ていたのだろうか。まったく気配を感じなかった。

女将とは今回が初対面だが、

普通の人とは違うような気がしてならない。


「あ、じゃあ、僕と芽衣子ちゃんはここで」

(碧があんな態度とるんだから、絶対裏がある人よね)


 他者に対してどちらかと言えば丁寧な対応をする側近ではあるが、

それは別に彼が良い人だからではない。

ただ円滑にことを進めるための処世術だと聞いたことがある。


(幼児に向かって取り繕わなきゃ敵だらけなるから面倒なんですよー

なんて笑いながら言う側仕えも碧くらいよね)


 母で、梅宮の当主である美都子にすら物怖じすることのない男だ。

その彼が女将に対しては何かいつもと違う様子を見せている。


(畏怖って感じとも違うし……牽制してるの?

ううん違うわね。あれは警戒って感じだわ)


 涼介たちは気づいていないと思うが自分にはわかる。

だてに彼の主人をしているわけではない。

だからこそ女将の存在が気になって仕方なかった。










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