Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
一
II@
飛田たちが帰ろうとしている。
持っている情報をしっかり聞きださないでも大丈夫なのだろうか。
涼介はとっさに彼らへ声をかけようとしてためらった。
(俺が言ってどうにかなるわけじゃないしなあ……)
ここは確実な線を狙おう。
そう思い直し、涼介は隣にいたみのりへ話しかける。
「いいのかい? 帰らせちゃって」
「……いいのかって言われても」
みのりが困惑したようすで答えを返してくる。
「言われてももう行っちゃったじゃない」
眉を顰めて呟くみのりの腕を涼介は肘でつついた。
「行こうとしてるだけで行ってないじゃないか。
君の一声で変わるのにさ」
静止の言葉を期待して告げるが、みのりは彼らに声をかけようとしない。
日頃から我が儘ばかり言っているように見えるのに、
思ったより慎ましい部分もあるのか。
妙なところで感心して口を閉ざしていると、モモンガのリオが声をあげた。
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