Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IIA




「キーキキーキ」

 鳴き声と同時に邦夫の車が走りだす。

「じゃあ、また」

 そんな邦夫を追って飛田が車をだしてしまい、

あっという間に去ってしまった。

「あーあ」

 これで貴重な情報源がなくなってしまった。

(やっぱり俺が言ってみたほうがよかったかな)

 自嘲して肩をすくめると、みのりが金切声をあげた。

「あーあ、って何よ!

そんなに引き止めたかったのならあんたがすればよかったじゃない!」

 みのりの言葉にむっとして涼介は片眉をあげる。

自分の責任でもあるとわかってはいるが、はっきり言われると腹が立った。

「俺が言っても誰も止められるわけないだろ?」

 そっぽを向いて言い訳すると、みのりがふんと鼻を鳴らすのが聞こえた。

「さっき言ったのに帰ろうとしたんだから、私が言ったって同じだったわよ!」

 ちらりと視線を移してみのりを見ると、彼女の頬が盛大に膨らんでいる。

涼介は八つ当たりをしてしまった自分を恥じて頬を掻いた。










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