Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
一
IID
「ふふふ、照れなくってもいいってばー」
小学生の男の子というよりは噂好きの主婦のようだ。
涼介は、手首のスナップを効かせている太一へ
目線を合わせるようかがんだ。
「あのね、太一君。
俺はもっとおしとやかで優しい女の子が好みなんだよ。
わかるかい?」
至極真面目な顔をして何を言うのかと思えば、
涼介は女性の好みについて語り出す。
しかも明らかにこちらを卑下するような言い方だ。
みのりは眉間にしわを寄せ、涼介に噛みついた。
「ちょっと、どういう意味よそれ!」
まるで優しさの欠片もないがさつな女だと言われているようで
腹が立つ。
しかし、攻め立てるこちらを涼介はあっさりと受け流した。
「どういう意味って、言ったまんまの意味だけど?」
図星でしょ、と言わんばかりに見てくる青年に、みのりは苛立つ。
しかしここで文句を言ってしまえば、
それこそ彼の言い分を認めたことになってしまう。
みのりはわめき散らしたい衝動を、
奥歯をぎりっと噛み締めることでこらえた。
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