Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




IID




「ふふふ、照れなくってもいいってばー」


 小学生の男の子というよりは噂好きの主婦のようだ。

涼介は、手首のスナップを効かせている太一へ

目線を合わせるようかがんだ。


「あのね、太一君。

俺はもっとおしとやかで優しい女の子が好みなんだよ。

わかるかい?」


 至極真面目な顔をして何を言うのかと思えば、

涼介は女性の好みについて語り出す。

しかも明らかにこちらを卑下するような言い方だ。

みのりは眉間にしわを寄せ、涼介に噛みついた。


「ちょっと、どういう意味よそれ!」


 まるで優しさの欠片もないがさつな女だと言われているようで

腹が立つ。

しかし、攻め立てるこちらを涼介はあっさりと受け流した。


「どういう意味って、言ったまんまの意味だけど?」


 図星でしょ、と言わんばかりに見てくる青年に、みのりは苛立つ。

しかしここで文句を言ってしまえば、

それこそ彼の言い分を認めたことになってしまう。

みのりはわめき散らしたい衝動を、

奥歯をぎりっと噛み締めることでこらえた。










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