Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
二
D
「どうにかって、どうするのさ?」
みのりは、小声で返してくる涼介に苛立ちが募った。
この男は自分の考えがないのだろうか。
こちらの意見は素直に頷かないくせに、
いざ意見を求めれば逆に質問してくる。
みのりは眉間にしわを作った。
「なだめるとか、色々あるでしょう! 色々!」
だが、やはり涼介はすぐに反発してくる。
「なら君がやりなよ。女の子らしく」
「女の子らしくって、性別関係ないでしょう。
むしろそれを言うなら雪姫は女なんだから
男性であるあんたが慰めてあげなさいよ」
だいたい『女の子らしく』とはなんなのだろうか。
何かにつけて強調してくるが、
そちらの好みを押しつけられても困る。
(なんだったかしら? おしとやかで優しい子?)
青年の理想の女性だったら、
今の状況も簡単に対処できるとでも言いたいのだろう。
(悪かったわね。どうせ私はおしとやかでも優しくもないわよ)
この男の好みの女性になりたいわけではないが、
自分を否定されたようでみのりは少しだけ悲しくなった。
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