Gold Plum





第三章


救出


〜涼介&みのりの場合〜




G




 みのりが涼介と太一の共通点を勝手に見出している間も、

彼らの話は続いている。


「お兄ちゃん、雪姫様に氷をあげようよ」


 これで解決するね、と言わんばかりの太一の声に、

涼介が明後日の方向を見ながら襟足をなでた。


「あげたんだけど、違うっていうんだよなあ……」

「涼介! わらわの氷を持ってきたマロか?」


 太一の言葉に、雪姫は涼介の存在に気づいたらしい。

期待を込めて見上げている雪姫の視線に耐えられなくなったのか、

涼介が怯むように少し後ずさった。


「ちょっと君、どうにかなだめろよ。得意だろ? そういうの」


 子供たちの純粋な瞳から逃れるように、涼介がこちらを見てくる。

みのりはそれに満面の笑みで応えた。


「雪姫のご指名でしょう。あんたがどうにかしなさいよ。

だいたいそこの男の子にだってできたんだから

あんたにだってできるでしょう」

「できるんだったらやってるよ。できないから頼んでるんだろう?」


 涼介が顔を引き攣らせ、早口でまくし立てる。

それでも太一と雪姫には聞かれたくないのだろう。

集中して聞かないと聞き取れないほどの声量だった。










一つ前に戻る   GPの部屋に戻る   次を読む





QLOOKアクセス解析