Gold Plum
第三章
救出
〜涼介&みのりの場合〜
二
I
(少しお灸をすえすぎちゃったかしら?)
みのりは情けない表情の涼介に罪悪感を抱く。
しかしこちらが口を開く前に、
太一が机の上にあったお菓子を指さしながら雪姫へ話しかけていた。
「氷はお兄ちゃんが絶対持ってきてくれるから、
その間はここにあるお菓子を食べて待っていようよ」
太一の言葉に吊りあがっていた雪姫の水色の瞳が、きらりと光る。
「本当マロか?」
「うん。絶対だよ! ねっ、お兄ちゃん」
太一が当然だと言わんばかりに頷くと、雪姫の顔に笑顔が広がった。
その状況にみのりは目を見開く。
こちらが必死に取り繕いながら説き伏せていたことが
バカらしくなるくらい簡単に、
太一は雪姫の機嫌を元に戻してしまったのだ。
やはり子供同士波長が合うのだろうか。
(って、雪姫はあんなに小さいけど子供じゃないわ)
体の大きさと言動で忘れてしまいがちになるが、
彼女は列記とした大人女性だ。
むしろ年齢だけで言うならがこの中で一番の年上なはずだ。
みのりはケタケタと笑い声まであげている雪姫の様子に驚愕した。
「え? うん、そうだね」
それは涼介も同じだったようだ。
あ然とした様子で首肯しながら、青年も太一と雪姫を凝視していた。
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